夏コミでラグナロクオンラインカードゲームを買ってきまして、先日プレイしてみました。
 これはトレーディングカードゲームというものの一つなのですが、TCGとは(基本的には)一つのセットでは完結しておらず、買い集めたり友達と交換したりして(トレーディングの由来)、自らのカードの集まり(デッキ)を強化できるゲームの総称です。通常のパッケージで完結しているカードゲームと違い、カードを自分で選べることにより選択肢が豊富なこと、カウンティング(麻雀のように場にされされたカードを記憶しておくこと)などのテクニックが効きづらいこと、コレクションの楽しみがあること(←私的には結構余分(笑))などが挙げられます。

 ゲームの目的は、マスターカードで構成されるクエストデッキを各プレイヤーがお互い協力して解くことです。
 戦闘ルールはROをやっている人には特に解説は不要かと思います。ROのようにリアルタイムではなく、野球のようにモンスとプレイヤーの手番を繰り返す(フレームと称されています)ので、多少アレンジされていますが、理解はしやすいと思います。逆に言うと、ROをやったことがない人にはカードの解説をじっくり読まないとプレイできないようでした(笑)。

 で、ちょっとプレイしてみたのですが、システムとして特に破綻はなく、動くと思います。若干モンスのHPが多いため、計算が煩雑な感がしましたが、まぁ許容範囲でしょう。

 しかし、対戦に付き合ってくれた人は、満足が行かなかったようです。その原因は、ゲームの目的である「各プレイヤーがお互い協力してクエストを解く」ことにあるようです。

 それはゲームの多くは、ゼロサムゲームであり、競技性とは対抗関係に存するからです。
 一般的なTCGにおけるカード集めの目的は、コレクションを別とすれば、デッキを強化してつまるところ相手プレイヤーを叩きのめすことにあります。それに対して、このゲームでカードを強化しても、確かに自キャラは活躍するかも知れませんが、結局のところ自分のPTが強くなると言う結果しか残りません。特にこの傾向は支援職に顕著です。
 このゲームに置ける目的は、リアルの対戦相手に勝つことではなく、システム上のクエストであり、プレイヤー間の緊張関係がないというのは、ゲーム性という意味ではマイナスに働くのも無理からぬところです。

ゼロサムゲーム 参加者それぞれの選択する行動が何であれ、各参加者の得失点の総和がゼロになるゲーム。零和ゲーム。

 しかしながら、ROは元々RPGであり、RPGの多くはゼロサムゲームではありません(例外もあります)。確かに、ROでもゼロサムゲームといえるPVやGVは出来ますし、俺TUEEEEEと叫んでいる人も思考的には同類かも知れませんが、これがROの全てではありません。
 ROで装備を強化するのは、(特にソロにおいては)自分のためでありますが、PT全体の戦闘力を高くする意味合いも強いです。
 ROにおいて装備を強化したから、あるいはレベルアップしたから、あのダンジョンに行ってみよう!というのと、ROTCGにおいて、レアカードが手に入ったから、クリアできなかったあのクエストをやってみよう!というのは、等価とも考えられます。
 そういう点を考えると、ゼロサムゲームではないこのTCGは、ROの世界観を表すには適切だったと思います。

 もっとも、だからといってTCGという形態を取ったことが適切であったかということと、あるいはTCGとして面白いのかは、また別問題ですけどね(笑)。
 個人的には多少カードを集めてみようかなとは思ってます。

 ただし、カード破産はしません(爆)